実際の停電はまだ経験していません
太陽光発電を始めてから、幸い実際の停電を経験したことはまだありません。この記事は「停電が起きたらどうなるか」を、今の設備でシミュレーションした内容です。実際に経験したら、内容を更新します。
うちには、パワーコンディショナー直結の専用コンセントが1つだけ
うちには据置型蓄電池がなく、太陽光パネルとパワーコンディショナーだけの構成です。停電時、太陽光の電気を使うには「自立運転」という機能に切り替える必要があり、使えるのは冷蔵庫の上に設置してもらった専用コンセント(「自立運転コンセント」と書かれているもの)1つだけです。設置場所は、工事のときに電気工事士さんから「冷蔵庫の上あたりはどうですか」と提案してもらいました。位置は、ある程度希望を伝えて決められます。この専用コンセントには、メーカーの資料に書かれている重要な制約があります(カナディアン・ソーラー「停電時、電気の使用方法について」)。
- 最大1,500W(AC100V・15A)まで
- 冷蔵庫のように、継続的な給電が必要な機器は使用できない(メーカーの資料に記載)
- 洗濯機や掃除機のようなモーター機器も、起動時の大きな電流で、使えないことがある
- 曇りや朝夕で発電が少ないと保護装置が働き、数回続くと自動では運転を再開しなくなる
- 医療機器や防犯機器、デスクトップパソコンなどの情報機器のように、途中で電源が切れると困る機器は、つながないよう警告されている
- 停電のとき以外は、機器をつなぎっぱなしにしない(使い終わったらすぐプラグを抜く)

つまり、この専用コンセントだけでは冷蔵庫は動かせません。うちでポータブル電源を導入した理由の一つは、まさにこの制約でした。そこで停電時は、冷蔵庫などを直接つなぐのではなく、いったんポータブル電源に充電して、そのバッテリーから家電に給電する形を考えています(詳しくは次の見出しで説明します)。
停電時は、バッテリー経由で冷蔵庫を優先
自立運転コンセントは冷蔵庫の近くにあるので、停電時はまず、一番近いキッチン用のDELTA 2 Maxをこのコンセントにつなぎ、充電しながら、そのバッテリーの出力(ACコンセント6口)から冷蔵庫に給電する形を考えています。コンセントに直接タコ足で家電をつなぐのではなく、バッテリーを1台挟むことで、天候による発電量のブレを吸収し、家電側には安定した電気を届けられるはずです。
キッチン用がフル充電できたら、リビング用、寝室用と順番に自立運転コンセントにつなぎ替えていく想定です。晴れていれば、緊急時なのでできるだけ高い充電速度にしたいところですが、自立運転コンセントには次の2つの制限があります。1つ目は、1,500W(15A)を超えないこと。EcoFlowのアプリで設定できる充電速度の上限は1,600Wなので、最大にすると超えてしまいます。2つ目は、その時の太陽光の発電量を超えないこと。発電量が足りないと、保護装置が働いて止まってしまいます。どちらも、止まる状態が数回続くと、自動では復帰しなくなります。その場合は、つないでいる機器を外してから、一括制御リモコンの運転/停止スイッチを「停止」→「運転」にすると復帰する、と説明書に書かれています。そのため、充電速度は1,500W以内で、その時の発電量に合わせて設定するつもりです。曇りの日は、最低の200Wまで下げることもできるので、下げていく予定です。
バッテリーが持つ「疑似UPS」機能と、その限界
DELTA 2 Maxには、停電などで入力が止まると自動でバッテリー給電に切り替わる「EPS」という機能があります。切り替えは30ミリ秒未満とかなり高速ですが、EcoFlow自身も「完全なUPS機能ではない」と説明しています。
実際に試してみると、冷蔵庫・洗濯機・空気清浄機・Wi-Fiルーター・ONU・電話・デスクトップパソコンとそのディスプレイは、切り替わっても特に問題なく動き続けました。落ちたのはテレビだけで、それも毎回ではありません。家電の内部には、電源が一瞬途切れても出力を保つコンデンサが入っていて、これは電源工学で「ホールドアップタイム」と呼ばれています。一般的には数十ミリ秒程度(負荷が軽いほど長い)とされていて、DELTA 2 Maxの切り替え時間(30ミリ秒未満)とちょうど近い水準です。「バッテリーを挟んでいれば停電に気づかず過ごせる」というものではなく、機器の設計によって結果が変わる、というのが実感です。
気をつけたいバッテリー残量表示のズレ
停電のような非常時こそ、バッテリー残量の表示には注意が必要です。以前の実測で分かった通り、DELTA 2 Maxの残量表示は実際の残量より多めに出ることがあり、「30%残っているから大丈夫」と思っていても、数分で一気に10%を切って出力停止することがあります。停電時は特に、この表示を鵜呑みにせず、早め早めに次のバッテリーへ切り替える判断が必要だと考えています。
まとめ
実際の停電はまだ経験していませんが、今の設備を整理すると、パワーコンディショナーの専用コンセントだけでは冷蔵庫すら動かせず、ポータブル電源を介した運用が実質的な備えになっています。バッテリーを順番に自立運転コンセントにつなぎ替える運用は、まだ実践したことがないので、今後実際に試す機会があれば、内容を更新するつもりです。

